「節税できますよ」と言われたとき
決算前、税理士から「これ買えば節税になりますよ」と言われます。納税額を減らせる、と聞くと心が動きます。気がつけば、必要かどうかも怪しいものを買っています。
節税は手段だが、いつのまにか目的になっていることがあります。
節税の提案は心地よく聞こえます。納税額が減るのは、経営者にとって直接的な喜びだからです。しかしその喜びが判断を曇らせていないかを疑う必要があります。
節税の提案は心地よく聞こえます。しかし心地よさの裏で、本当に必要のないものを買っていないかを疑う必要があります。
節税と経営判断は、別の論理で動く
節税の論理は「税金を減らす」です。経営判断の論理は「会社を良くする」です。両者は重なることもあるが、しばしば対立します。
節税のために投資すると、経営判断としては正しくない選択になることがあります。
節税のために必要のないものを買う、というのは経営判断ではありません。税法に最適化された選択ではあっても、事業に最適化された選択ではありません。
税理士は税の専門家であって、自社の経営方針までは責任を負えない。経営判断は経営者の仕事です。
税理士の役割と、経営者の役割
税理士は税の専門家です。税法に基づいて最適な処理を提案します。それは正しい仕事です。しかし、その提案が自社にとって経営的に最適かは、別の話です。
経営的な判断は、経営者にしかできません。
税理士は税の専門家だが、自社の経営方針までは責任を持てない。経営判断は経営者の仕事です。
税金は儲かった証拠でもある、と捉え直すと、納税への感情が変わります。
「節税のために買った車が、5年経って残ったのは減価償却だけでした。」
— ある経営者の言葉
税金は、儲かった証拠でもある
税金を払いたくない、という気持ちは自然です。しかし税金は儲かったから払うものです。利益が出ていない会社は、税金を払わなくていい代わりに、未来も作れない。
「税金を払うのは健全な経営の証」と捉え直すと、判断が変わります。
税金は儲かった証拠でもある、と捉え直すと、納税に対する感情が変わります。
節税のために必要のない投資をするくらいなら、納税して現金を手元に残す方が、長期では強い。
税理士と話す前に、自分に問うこと
決算前に税理士と話す前に、「自社にとって今、本当に必要な投資は何か」を自分の言葉で言えるようにしておく。
それがあれば、節税提案を経営判断としてふるいにかけられる。
節税提案を経営判断のフィルターに通す
節税提案を受けたら、まず「これは事業に必要か」と問います。次に「節税効果がなくても買うか」と問います。両方にYesでなければ、見送る。
節税のための投資は、ROIで測ると合わないことが多い。減価償却の節税効果より、本来の事業投資のリターンの方が大きい。
税金を払う経営は健全な経営だ、と腹を括れる経営者は、節税提案に振り回されない。